台屋の鰹節削り器は鉋(かんな)で鰹節を削ります。いつかは鉋刃を砥がなくてはなりません。「職人のメンテナンス(有料)」もお勧めしますがコツをつかめば割と簡単に自分でも砥ぐことができます。これができると鉋に愛着を感じることができ、コスト面でも安く仕上がります。しかも包丁の砥ぎもうまくなります。
1、用意するもの
まずは砥石を用意しましょう。
・荒砥石
・中砥石
・仕上げ砥石
目で見て刃が欠けてない限り「中砥石」と「仕上げ砥石」の2つを用意しましょう。
ちなみにネット販売のアマゾン様では
このような値段で売っています。
2、中砥石で砥ぐ
コツ1、角度がずれないように
まずは中砥石を水で十分に濡らしてください。
砥ぐときの手(指)は写真のように持ちます。砥ぐときに刃の角度がずれないようにするのがコツです。
コツ2 ゆっくり砥石の全面を使う
そして細かくゆっくり前後に砥ぎながら前方向に進みます。
砥石に押し当てる力は軽くても砥げます。
砥石の先端まで行ったらゆっくり前後に砥ぎながら後ろ方向に進みます。
この時の砥ぎ汁(濁った水)は洗い流さないでそのままでOK。この砥ぎ汁が刃をきれいに砥いでくれるからです。
コツ3 返しを落とす
鉋の刃先を撫でてみてください。(指を切らない方向で!)
刃先にほんの少し返り(毛羽、バリ)が出来たら
裏を砥ぎます。(鉋刃を裏返して)
写真のように前後に砥いで返し(毛羽、バリ)を取り除きます。
10回くらい前後すればほとんど取れます。
これで中砥石での作業は終わります。
3、仕上げ砥石で砥ぐ
中砥石と同じです。
仕上げ砥石では返し(毛羽、バリ)はあまり出ませんがしっかり返しの砥ぎもしてください。
終わったら鉋刃を水で洗いきれいにしてよく拭き、食用油を塗りさび止めをしてください。
これで終了です。
まとめ
やってみると案外簡単です。
1、角度がずれないように
2、ゆっくり砥石の全面を使うように
3、返し(毛羽、バリ)ができたら返しを落とす
これを中砥石と仕上げ砥石でやるだけ。
たった3つのコツで鉋刃は砥げるのです。最初は角度がずれやすいですがゆっくり砥いでみてください。鉋刃を研ぐという時間も贅沢なものです。
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田畑洋子 (土曜日, 13 8月 2016 11:30)
ご指示通りにやってみたのですが、うまくできません。御社の製品ではないのですが、メンテナンスしていただければお送りしたいと思います。送り先を教えてください。代金はけずりぶしきのなかにいれてもいいですか?
台屋より (水曜日, 17 8月 2016 07:59)
田畑様
返信が遅れ申し訳ありません。
弊社の削り器でなくてもメンテナンスを受け付けております。
内容は刃の砥ぎ直しと鉋台(木部)の調整です。
税込¥1,620となりますが法律で宅配便では現金を送れないこととなっております。
銀行振込もしくは代金引換(¥260加算)でお願いいたします。
台屋 山谷
angchang (日曜日, 02 8月 2020 23:09)
こちらで菊弘丸を購入させていただきました。本枯節を日々愉しめるようになり、また、快適な削り心地に満足しております。
研ぎに関してですが、普段使いの和包丁は毎日使用後に仕上げ砥で研ぎを行なっています。鉋刃も同じような頻度がいいのでしょうか。使用頻度などで変わるとは思いますが、目安などあれば教えて欲しいです。
台屋より (月曜日, 03 8月 2020 09:40)
angchang様
菊弘丸×台屋の鰹節削り器をご購入いただきありがとうございます。研ぎに関しましてですが、基本的には切れなく(削りにくく)なったら研ぎ直しでいいと思います。もちろん毎回削り終わったら研ぎ直しても問題はありません。鰹節の硬さや削る厚み、削る量によって刃の消耗は変わりますので研ぐタイミングはご自身でご判断していただければと思います。
カリス (月曜日, 04 10月 2021 19:47)
すみません、手作りの木箱の鰹節削り器を受け継いだのですが、刃が錆びている状態で木部も傷んでいて削る必要があるのですが、手入れをしていただくことは可能ですか?
代金については振り込ませていただきますが、可能か?と、その場合お幾らくらい掛かるのか?知りたいのですが。カンナの収まっている台については、自分でも鑢などで手入れ出来ても、刃の収まる木部だけは、どうにも難しいのですが。
台屋より (火曜日, 05 10月 2021 11:12)
カリス様
お問い合わせいただきありがとうございます。しかしながら諸所トラブルにより現在、他社製品のメンテナンスについて受付しておりません。大変申し訳ございませんがご了承ください。
西崎 甫 (月曜日, 19 12月 2022 12:33)
【問い合わせ内容】
鉋刃の刃表を研ぐ際、押す時と引く時どちら向きに研ぐ際に力を入れれば良いでしょうか。
【質問の背景】
・和包丁(片刃)の刃表を研ぐ際は押す際に力を入れ、刃裏の返りを取る際は引く際に力を入れて研ぎますが、鉋刃の刃表を研ぐ際は、押し引きのどちらの方向に研ぐ際に力を入れれば良いか不明たったため。
・鉋刃の刃の返りを作るという意味では刃表を引く際に力を入れて研げば良いと思ったのですが、よくわからなかったため。
台屋より (月曜日, 19 12月 2022 18:06)
鉋の刃表(しのぎ、切刃)の研ぎは押す時と引くときでは同じくらいの力で研いでおります。返しを出すよう研ぐイメージというより、刃表の面積が小さいため蒲鉾状にならないように上から押さえることを意識しております。刃表が蒲鉾状にならないように刃を斜めにして研がれる方が多いようです。その研ぎのあと返しが出たら裏を研ぎながら取り除きます。